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2025.06.30

【誤解されやすい!?】出雲弁講座 vol.5

izumodialect5
テープ

以前東京にいた頃、お昼ご飯を食べ終わり

「あぁ、腹がせついわぁ

と私が言うと、一緒にいた友達が

「え、切なくなったの?

と聞いてきました。

私が「飯食って切なくならんでしょ 笑」

と返しても、友達は意味がわかっていない様子。


そこで初めて【せつい】が出雲弁であることを知りました。

地元ではみんながよく使う言葉なので、標準語だと勘違いしていました。。


▼【せつい】とは??


【せつい】というのは出雲弁で「苦しい」「つらい」「きつい」という意味。

お腹が張って苦しいときや、運動をした直後でバテているときなどによく使います。


《用例》:いけんわ。せつくて動けん。(ダメだ。つらくて動けない)

《用例》:せつてあばかんわぁ。これ以上食べられん。(苦しくてたまらないよ。。これ以上食べられない)

※カッコ内()の太字は標準語訳

 

【せつてあばかん】のように、【あばかん】と組み合わせた言い回しも頻繁に使われます。

なお、【せつて】は、【せつくて】の省略した言い方です。(参照:「く」の省略について



「せつい」と「せつない」

確かに出雲弁を知らない人からすると、混同してしまうかもしれないですね。


そこで今回は、標準語と似たような音でも全く違った意味を持つ誤解されやすい出雲弁」についてご紹介します!

用例にはこれまでの出雲弁講座で扱った用語も含まれているので、前回までの記事も参照してみてくださいね◎


▼前回までの記事

【例文で覚える】出雲弁講座 vol.1

【例文で覚える】出雲弁講座 vol.2

【発音(訛り)編】出雲弁講座vol.3

【例文で覚える】出雲弁講座vol.4

 

これまで同様、用例にあるカッコ内()の太字は標準語訳となっています。

それでは目次の例文をご覧ください。どのような意味か、想像がつきますか??

子どもとたばこする

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もちろん、子どもと喫煙しているわけではありません。では何をするのでしょうか?

たばこする / たばこにする

「休憩する」「一休みする」という意味の出雲弁です。

仕事や作業の合間の一休み、といったニュアンスでよく使われます。


つまり、例文の

「子どもとたばこする」とは

子どもと一休みする、子どもと一緒に休憩する

という意味になります。


《用例》:そろそろたばこにするか。(そろそろ休憩にしようか)

《用例》:頑張り過ぎーと疲れーけん、ちょんぼしたばこすーだわね。(頑張り過ぎると疲れるから、少し休憩しなさいよ)

参照


ご飯がこわい

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言葉だけ聞くと勘違いしそうですが、決してご飯に恐怖を感じたりトラウマがあるわけではありません。

こわい

「硬い」という意味の出雲弁で、ご飯(お米)が硬い状態のことを指します。

水分が少なく、ご飯がパサパサしているときがありますよね。そんなときによく使います。

また、【こわい】は食べ物(主にご飯・お米)に対してのみ使う言葉なので、例えば「石がこわい」ということはありません。


《用例》:炊いたご飯がこわかったけん、チャーハンにしたわ。(炊いたご飯が硬かったから、チャーハンにしたよ)

《用例》:赤飯ちょっとこわいね。水が足りんかったかも。(赤飯ちょっと硬いね。水が足りなかったかも)

参照


歯がはしる

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歯は走らないですが、大変なことが起こっているのは間違いありません。

はしる

「痛む」「痛い」という意味の出雲弁。

単に痛いというよりも、「ピリピリ痛む」、「ズキズキ痛い」、「しみるような痛さ」を表現するときに使います。


《用例》:つかくかぶんだけん、冷たい飲みもんは歯がはしるわ。(知覚過敏だから、冷たい飲み物は歯がしみて痛いよ)

《用例》:唐辛子が辛て舌がはしーやなわ。(唐辛子が辛くて舌がピリピリするような痛さだよ)

参照


風船がはしれる

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風船が走る? それとも風船で痛いことが起こる?? 例文の【はしれる】は別の意味があります。

はしれる / はしれた

「割れる」「破裂する」という意味の出雲弁。

圧迫されたものが耐えかねてパーン!と破裂するような様子を表現するときに使います。

そのため、グラスが落ちて割れた際に「グラスがはしれた」ということはありません。

初めて聞く人には何いってるか意味がわからないですよね。


《用例》:そぎゃんに空気入れーと風船がはしれるよ!(そんなに空気入れると風船が割れるよ!)

《用例》:ウィンナー茹でるのめんどくさかったけん電子レンジで温めちょったら、ふつごな音ではしれたわ!(ウィンナー茹でるのめんどくさかったから電子レンジで温めていたら、すごい音で破裂したよ!)

参照


雪でまくれる

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腕捲りや、競馬などの捲る(後方から追い抜く)、とは意味が違います。ヒントは『足元に注意しないと・・・』

まくれる / まくれた

滑ったり、つまづいたりなどして「転ぶ」「転げる」「倒れる」「横転する」という意味の出雲弁です。

自ら転がったり倒れたりするのではなく、不意に転んだり倒れたりするというニュアンスのときに使われます。


つまり、例文の

「雪でまくれる」とは

雪で(滑って)転ぶ

という意味になります。


《用例》:うちの子はつかまり立ち始めたばかりで、まだまくれやすいわー。(うちの子はつかまり立ち始めたばかりで、まだ転びやすいよー)

《用例》:さっき9号線で車が派手にまくれちょったわ。(さっき国道9号線で車が派手に横転してたよ)


椅子がめげる

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『みいつけた!』(NHK)のコッシーがしょげたり、がっかりしているわけではありません。椅子に座ってくじけている、という意味??

めげる / めげた

「(物が)壊れる」という意味の出雲弁です。

島根だけでなく、中国・四国地方や京都府、兵庫県ほかいくつかの地域で「壊れる」の意味で使われているようですね。


《用例》:テレビがめげて映らんくなった。(テレビが壊れて映らなくなった)

《用例》:あんまり引っぱーとめげーけんやめーだわ。(あんまり引っ張ると壊れるからやめときなよ)

参照


おばあさんはマメだよ

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もちろん豆ではありません。ただ、『マメな性格』のような「まじめ」や「誠実」「気配りができる」という意味とも違います。

マメ

「元気」「息災(達者で健康である)」という意味の出雲弁。


つまり、例文の

「おばあさんはマメだよ」とは

おばあさんは元気だよ

という意味になります。


《用例》:今年もまめに過ごせますように。(今年も健康に過ごせますように)

《用例》:おじいさんはまめなかね?(おじいさんは元気にしてる?)

参照


犬に足をかぐられた

08kaguru

犬に足を嗅がれたという意味ではありません。さすがに「神楽」と間違える人はいませんよね。。

かぐる / かぐられる

「爪で引っ掻く」「爪を立てて掻く」という意味の出雲弁。


つまり、例文の

「犬に足をかぐられた」とは

犬に足を引っ掻かれた

という意味になります。


《用例》:野良猫の頭撫でようとしたらかぐられたわ。(野良猫の頭撫でようとしたら引っ掻かれたよ)

《用例》:そんなにかぐーと血がでーよ!(そんなに掻くと血が出るよ!)


猫が手にさばる

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猫が手に鯖を持っている? サバトラ猫? それとも鯖を食べることを「サバる」って言ってる?

さばる

「つかまる」「くっつく」「(離れないように)握る」いう意味の出雲弁。

また、「まとわりつく」「たかる(集る)」という意味でも【さばる】を使います。


つまり、例文の

「猫が手にさばる」とは

猫が手にくっつく

という意味になります。


《用例》:揺れるけん、吊り革にさばっちょーだわ。(揺れるから、吊り革握っておきなよ)

《用例》:頭にトンボがさばっちょーよ。(頭にトンボがくっついてるよ)

《用例》:料理にコバエがさばっていけんわ。(料理にコバエがたかってサイアクだよ)

参照


魚のしごする

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最後はこちら。これも聞き馴染みのない言葉だと思います。「死後」や「死語」、「仕事する」とも違います。

しごする / しご

【しごする】とは「魚(魚介類)を捌く(さばく)」という意味の出雲弁。

また、【しご】単体で使われるときは「下処理」を意味します。


例えば、生魚を刺身にしたりフライにするには、まず魚の下処理が必要ですよね。

頭を落として内臓や鱗をとったり、三枚におろすといった下処理を行うことを【しごする】といいます。


人によって違うかもしれませんが、肉よりも魚介類に対して【しごする】を使っているイメージが強いです。


《用例》:イカはどげしてしごすればいいの?(イカはどうやって下処理すればいいの?)

《用例》:おばあさんは魚のしごが早て(はやて)上手だわ。(おばあさんは魚の下処理が早くて上手だね)

参照


おしまい:電気ケトルがめげた

そういえば2ヶ月前に電気ケトルがめげてしまいました。。


8年ほど愛用していたのですが、ある日プラグをコンセントに挿そうとしたら「バチッ!」と小さな火花が。。

よく見たらケーブルの根本が断線して剥き出しに…。

流石に危ないので買い替えました。


買ったのはハゴオギ (HAGOOGI) の電気ケトル。→こちら


温度調整ができたり、電源の切り忘れでブザーが鳴ったりしてかなり便利。

いまのところ快適に使えています!


ただ、電化製品が一つめげると連鎖して他のもめげることがあるので、しばらくは気をつけたい思います。(あの現象なんだろか。。)


さて、ひさびさの出雲弁講座はいかがだったでしょうか。

こうして書いていると、あの出雲弁もあった、これもよく使うけど紹介できてないなぁ、とあれやこれや頭に浮かんできます。


まとまり次第、また記事にしますね◎

ではではー


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